お彼岸とは?意味や過ごし方、2027年の日程とお盆との違いを解説

お彼岸とは、春分・秋分の日を中日とする前後の期間を指す仏教の行事です。今回は、2027年(令和9年)の正確な日程や、浄土真宗におけるお彼岸の受け止め方、お墓参りやお供えの作法、よくある言い伝えの真偽まで、順にお伝えします。
お彼岸とは ― 「到彼岸」という言葉が指すもの
お彼岸は毎年めぐってくる行事ですが、「彼岸」という言葉そのものの意味までは意外と知られていません。ここには、仏教の教えの中心にある考え方が込められています。
語源はサンスクリット語の「パーラミター」
彼岸|仏教語豆事典|浄土真宗本願寺派(西本願寺)は、彼岸を「文字通り、向こう岸のこと。サンスクリット語「パーラミター」の漢訳「到彼岸」を略したもので、私たちの住む迷い多い此岸から、煩悩の川を渡り越えて到達する仏の世界」と説明しています。
また、「お彼岸」とは|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によれば、日本語に直すと「さとりの境界に到達した」という意味になります。
なぜ春と秋の年2回なのか
お彼岸が春と秋の年2回あるのは、太陽の動きと深く関係しています。
彼岸|仏教語豆事典|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によると、太陽が真東からのぼり、真西に沈んでいくこの日に、此岸の現実を反省し、彼岸の仏さまのお徳をたたえるのです。
彼岸|仏教語豆事典|浄土真宗本願寺派(西本願寺)に示されているように、春分・秋分の日を中日とし、その前後一週間のあいだ、寺々では彼岸会という法事が勤められ、祖先をしのび、墓参や寺院に参詣する期間となっています。
お盆とお彼岸は何が違うのか

お盆とお彼岸は、どちらも日本の暮らしに深く根づいている仏教行事ですが、その起源や役割には違いがあります。
それぞれの違いを分かりやすく表にまとめましたので、ご参考にしてください。
| 項目 | お盆 | お彼岸 |
|---|---|---|
| 起源・由来 | 盂蘭盆経(うらぼんきょう)など | サンスクリット語の「パーラミター(到彼岸)」など |
| 期間 | 主に8月中旬(または7月中旬) | 春分・秋分の日を中日とする前後7日間(年2回) |
| 主な目的 | 一般には、ご先祖さまをお迎えする行事として営まれる | 仏さまの教えに触れ、自らの生き方を見つめ直す |
| お供え物 | 地域や宗派によって異なる | ぼたもち(春)、おはぎ(秋)など |
なお、お盆の受け止め方や作法は宗派によって大きく異なります。浄土真宗のお盆については、あらためて別の記事でお伝えします。
2027年(令和9年)のお彼岸はいつからいつまで

お彼岸の日程は毎年少しずつ動くため、その都度調べ直すことになります。2027年の日付と、なぜ毎年変わるのかをあわせて確認しておきます。
春のお彼岸と秋のお彼岸の日程
「お彼岸」とは|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によると、「お彼岸」は年に2度、3月の春分の日、9月の秋分の日を中日として、その前後3日ずつの1週間をご縁とした仏教週間です。
2027年(令和9年)のお彼岸の具体的な日程は以下の通りです。
| 期間 | 彼岸入り | 中日(祝日) | 彼岸明け |
|---|---|---|---|
| 春のお彼岸 | 3月18日(木) | 3月21日(日・春分の日) | 3月24日(水) |
| 秋のお彼岸 | 9月20日(月) | 9月23日(木・秋分の日) | 9月26日(日) |
春分の日・秋分の日が毎年変わる理由
春分の日や秋分の日の日付は、毎年同じではありません。地球が太陽のまわりを一周する周期がちょうど365日ではないため、太陽が春分点・秋分点を通過する瞬間が年によってずれるからです。
何年後かの春分の日・秋分の日はわかるの?|国立天文台(NAOJ)によると、日本の祝日を定めている「国民の祝日に関する法律」では、春分の日は「春分日」、秋分の日は「秋分日」を採用するとされています。つまり法律は日付そのものではなく天文現象を指定しており、祝日としての日付は、前年の官報に「暦要項(れきようこう)」が掲載されることによって正式決定となります。
2027年(令和9年)の春分の日3月21日・秋分の日9月23日も、令和 9年(2027)暦要項 国民の祝日|国立天文台暦計算室(令和8年2月2日発表)で確定したものです。
浄土真宗ではお彼岸をどう受け止めるか
同じお彼岸でも、宗派によって受け止め方は変わります。浄土真宗ではこの一週間をどのように過ごすのでしょうか。
お釈迦さまが説かれた六波羅蜜という道
彼岸|仏教語豆事典|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によると、お釈迦さまは、此岸から彼岸へ到達するための道として、六波羅蜜(ろくはらみつ)の教えを説いておられます。
お彼岸という言葉の背景には、この六波羅蜜の教えがあります。では浄土真宗では、この一週間をどのように受け止めるのでしょうか。
彼岸法要が「讃仏会」とも呼ばれる理由
「お彼岸」とは|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によると、浄土真宗では、お聴聞を通して阿弥陀さまの摂取不捨(摂め取って捨てず)のおはたらきを喜び、そのお徳を讃嘆しますから、彼岸法要は別名「讃仏会」という名で親しまれています。
よくあるご質問|浄土真宗本願寺派(西本願寺)も同じことを、より踏み込んで述べています。「浄土真宗では、さとりに至るための修行はせず、また、日々のお念仏の味わいが重要なのですが、このお彼岸の期間を『さとりの世界(浄土)へ至らしめてくださる阿弥陀さまのお徳を讃え、そのお心を聴聞させていただく仏縁』として大切にしています」。
六波羅蜜の一つひとつを自分の修行として積み上げていく期間ではなく、阿弥陀さまのはたらきを聞かせていただく期間。それが浄土真宗のお彼岸です。
「彼岸」は「あの世」ではありません
お彼岸を「あの世にいる故人に会いに行く期間」と受け取っている方は少なくありません。ここに、浄土真宗の受け止めとの大きな違いがあります。
よくあるご質問|浄土真宗本願寺派(西本願寺)は、次のように述べています。「『彼岸』は『あの世』とイコールではありません。「迷いの世界である『あの世』にいる故人を慰める」のではなく、「真実の世界である浄土に生まれた故人を偲びつつ、自分自身がその浄土へ到る道であるお念仏の教えに耳を傾ける」ご縁の期間であり、法要なのです」。
慰めに行くのではなく、聞かせていただきに行く。この向きの違いが、お彼岸の過ごし方そのものを変えていきます。
お聴聞をご縁とする一週間として
お彼岸の一週間は、私たちが仏さまの教えを聞く「お聴聞(ちょうもん)」の大切なご縁です。浄土真宗のお経の種類と意味を深く知ることで、お彼岸の期間中にいただくお念仏の味わいも変わってきます。
なぜこの一週間なのか。「お彼岸」とは|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によると、善導大師の『観経疏(かんぎょうしょ)』には、1年の中でも特に春分と秋分は、太陽の軌跡が真東から真西へ移動することから、阿弥陀さまの西方浄土を願生(がんしょう)することに最も適した仏道修行の時節であると示されています。
西栄寺でも、春のお彼岸には春季彼岸法要をお勤めしています。2027年(令和9年)は、春分の日である3月21日(日)に大本山大阪本坊で、堺支坊では春分の日の前後の日曜日にお勤めします。なお秋のお彼岸は、納骨堂「泰心堂」にご納骨された方を対象とした「納骨者彼岸法要」で、事前のご予約が必須となり、対象の方にはお葉書でご案内しています。
お彼岸にすること ― お墓参りとお仏壇のお給仕
お聴聞のご縁としてのお彼岸は、具体的にはお墓参りとお仏壇のお給仕という形をとります。それぞれに、迷いやすい点があります。
お墓参りはいつ行けばよいか
お彼岸の期間中、お墓参りに行く日に厳格な決まりはありません。中日(春分の日・秋分の日)に行く方が多いですが、彼岸入りから彼岸明けまでの都合の良い日にお参りして差し支えありません。
「お彼岸」とは|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によると、浄土真宗の門信徒は、普段忙しくて時間と心に余裕のない方も、お彼岸には身近な方のお墓参りをご縁として、「なまんだぶつ…」(南無阿弥陀仏)とお念仏をいただきます。
お墓参りでは何をするか
よくあるご質問|浄土真宗本願寺派(西本願寺)は、お墓参りの仕方を「石碑に付いた汚れやドロを落として、墓前に花やお香、供物などを供えて、気持ちよくお参りしましょう」と記しています。掃除の道具、お花、お香、そしてお供えを持っていけば充分です。
そのうえで、同じページには浄土真宗ならではの受け止めが続きます。「亡き人はお墓の中にいるのではなく、浄土に生まれて仏さまになっておられます。無量のいのちをいただかれて、私たちにいつも寄り添い、まごころをかけ続けてくださっているのです」。
そして、こう結ばれています。「亡き人の私たちにかけられたそうした願いとはたらきを聞くと同時に、諸行無常の理をかみしめながら、確かな依りどころとなる念仏を味わう-それが浄土真宗のお墓参りです」。
お墓に向かって手を合わせるとき、そこにおられない方に呼びかけるのではなく、すでに仏となられた方から届く声を聞かせていただく。浄土真宗のお墓参りは、そういう時間として受け止められています。
将来的なお墓の維持管理に不安がある場合は、永代供養という選び方を視野に入れておくことも、これからの安心につながる一つの方法です。
お仏壇のお掃除とお給仕
お彼岸を迎えるにあたり、お仏壇をきれいに掃除し、お給仕(お供えや飾り付け)を整えます。
お仏壇は阿弥陀さまをご安置する場ですので、まずはご本尊のまわりから整えます。仏具を丁寧にお手入れし、お花やお仏飯(おぶっぱん)を新しくお供えします。
整え方の基本について、よくあるご質問|浄土真宗本願寺派(西本願寺)は「おかざりの基本は、灯・香・華の三具足(※)の位置を仏さま中心に整えることです。また、お仏飯はご本尊の真ん前に供えるよう心がけることです」としています(※三具足=ローソクを供える燭台・お香を供える香炉・お花を供える花瓶)。凝った飾りつけよりも、この三つとお仏飯の位置を整えることが先だということです。
おはぎとぼたもちをお供えする理由
お彼岸の代表的なお供え物であり、行事食でもあるのが「ぼたもち」と「おはぎ」です。これらは基本的に同じものですが、春は「牡丹(ぼたん)」にちなんで「ぼたもち」、秋は「萩(はぎ)」にちなんで「おはぎ」と呼ばれます。
かつて貴重だった砂糖と小豆を使った食べ物を仏さまにお供えし、そのお下がりを家族で分かち合う。この習慣が、お彼岸の行事食として定着しました。
地域によっては、彼岸団子や精進料理、彼岸そばなどを供えるところもあります。何を供えるかに全国共通の決まりがあるわけではなく、その土地とご家庭で受け継がれてきた形が大切にされています。
浄土真宗のお供えで気をつけたいこと
浄土真宗のお供えでは、他宗派と異なるいくつかの作法があります。例えば、お仏飯(ご飯)は、蓮のつぼみを模して丸く高く盛り付けるのが一般的です。
また、浄土真宗では「霊」という存在を想定しないため、いわゆる「御霊膳(お霊供膳)」と呼ばれる、故人のための食事をお供えすることはいたしません。お供え物は、阿弥陀さまへの感謝を表すものとしてお供えし、その後は私たちが「お下がり」として感謝のうちに美味しくいただきます。
「お彼岸にやってはいけないこと」は本当か
お彼岸が近づくと、「土いじりはいけない」「引っ越しは避けたほうがよい」といった話を耳にします。その根拠がどこにあるのかを確かめておきます。
土いじりを避けると言われる理由
世間では「お彼岸の期間中に土いじりをしてはいけない」と言われることがあります。
これは、お彼岸の時期に地中の虫や生き物を傷つけて殺生をしてしまうことを避けるため、あるいは「お彼岸は仏事を行う期間なので、農作業などの労働を休むべきだ」という昔の生活の知恵から生まれた俗信です。仏教的な戒律として「土いじりをしてはならない」という決まりがあるわけではありません。
引っ越しやお祝いごとを避けるべきか
同様に、「お彼岸の時期に引っ越しや結婚式などのお祝いごとをしてはいけない」という話を聞くこともあります。
これも、お彼岸は仏事に専念する期間であるため、他事で忙しくするのを避けるべきだという考え方や、お墓参りなどで親族が集まる時期と重なるため配慮した方がよいという、生活上の都合から生じたものです。仏教において、お彼岸の時期に慶事を行うことが禁じられているわけではありません。
言い伝えと仏さまの教えをどう受け止めるか
親鸞聖人は『正像末和讃』で、次のように詠まれています。
かなしきかなや道俗の 良時吉日えらばしめ 天神地祇をあがめつつ 卜占祭祀つとめとす
「正像末和讃」親鸞聖人|光華学園に掲載された現代語訳(署名「宗」)によると、この和讃は「悲しいかな、いまの世の僧侶も俗人も、目先の欲望を満たすために日時の善悪吉凶を選び、現世の幸せを与えるとされる天の神、地の神をあがめ、占いや祀りでもって幸福を得、災いを除こうと努めている」という意味になります。
親鸞聖人が嘆かれたのは、日の善し悪しを選ぶという行いそのものでした。お彼岸に何をしてよいか迷われたときは、日の吉凶ではなく、ご家族のご都合で決めていただいて差し支えありません。
よくあるご質問|浄土真宗本願寺派(西本願寺)によると、世間の迷信(「四十九日が三ヵ月にわたるといけない」など)について、語呂合わせを気にして中陰期間を切り上げるようでは確かな依りどころを得たとは言えない、と示されています。
お彼岸に関するよくある質問
お彼岸を前に、お寺でよくいただく質問にお答えします。
お彼岸とは何をする日ですか?
お彼岸は、春分の日・秋分の日を中日とした前後3日間の計7日間に、仏さまの教えに触れ、自らの生き方を見つめ直す期間です。一般的には、お墓参りやお仏壇の掃除、お供えを行い、お寺の彼岸法要(彼岸会)に参拝します。
お彼岸とお盆の違いは何ですか?
お盆は一般に、ご先祖さまをお迎えする行事として夏に営まれます。一方のお彼岸は、仏さまの国(彼岸)に思いを馳せ、仏法を聞く機会とする期間です。時期はお盆が8月中旬(または7月中旬)、お彼岸は春と秋の年2回です。なお、浄土真宗ではお盆の受け止め方も一般に知られている形とは異なります。
お彼岸はなぜ年に2回あるのですか?
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇って真西に沈みます。西方にあるとされる阿弥陀さまの極楽浄土に思いを向けるのにふさわしい時節とされてきたため、春と秋の年2回、お彼岸が営まれます。
お彼岸にやるべきことは何ですか?
主に、お墓参り、お仏壇の掃除とお給仕(お花やお仏飯、おはぎ・ぼたもちなどのお供え)、そしてお寺で営まれる彼岸法要(彼岸会)への参拝が挙げられます。そして何より、仏さまの教えに耳を傾ける時間を持ってください。
お彼岸にやってはいけないことはありますか?
仏教において、お彼岸にやってはいけないとされるタブーはありません。「土いじり」や「引っ越し・お祝いごと」を避けるべきという俗信がありますが、これらは仏教的な根拠のない迷信です。
四十九日のあとの「初彼岸」は何か特別なことをしますか?
四十九日を終えて初めて迎えるお彼岸を「初彼岸(はつひがん)」と呼びます。ただし、初彼岸だからこうしなければならないという形が決まっているわけではありません。ご親族を招いて法要を営まれるご家庭もあれば、いつものようにお墓参りとお仏壇のお給仕を整えられるご家庭もあります。迷われたときは、手次ぎのお寺にお尋ねください。
お彼岸に親戚の家へお参りに伺うときは何を持っていけばよいですか?
日持ちのするお菓子や季節の果物、お線香などが選ばれます。掛け紙の表書きは「御供」とされることが多く、金封を包む場合、浄土真宗ではよくあるご質問|浄土真宗本願寺派(西本願寺)のとおり「御霊前」ではなく「御仏前」と書きます。地域やご家庭によって慣習が異なりますので、迷われたら先方に伺ってみてください。
お彼岸の期間にお墓参りへ行けないときはどうすればよいですか?
お彼岸は、日にちを守ること自体が目的の行事ではありません。ご都合のつくときにお参りください。ご自宅のお仏壇の前で手を合わせ、お念仏をいただくことでも、お彼岸をご縁とすることはできます。
春のお彼岸には何を食べるのですか?
春のお彼岸には、春に咲く牡丹の花にちなんで「ぼたもち」を食べます。秋のお彼岸には、秋に咲く萩の花にちなんで「おはぎ」を食べます。どちらも小豆と砂糖を用いたお餅で、仏さまにお供えした後にいただきます。
まとめ
お彼岸は、春分・秋分の日を中日とする一週間の仏教週間です。2027年(令和9年)は、春が3月18日から3月24日まで、秋が9月20日から9月26日まで。日付が毎年動くのは、法律が日付そのものではなく天文現象を指定しているためでした。
浄土真宗では、この一週間を「讃仏会」として受け止めます。本願寺派が「『彼岸』は『あの世』とイコールではありません」と述べているとおり、あの世の故人を慰めに行く期間ではありません。お墓参りもまた、そこにおられない方に呼びかけるのではなく、すでに仏となられた方から届く願いを聞かせていただく時間として受け止められています。
お墓の汚れを落とし、お仏壇の三具足とお仏飯を整え、おはぎをお供えする。そのひとつひとつの所作が、そのままお聴聞のご縁になります。
西栄寺は大阪市西淀川区に本坊を置くお寺で、春のお彼岸には春季彼岸法要をお勤めしています。秋のお彼岸は、納骨堂「泰心堂」にご納骨された方を対象とした予約制の法要です。お彼岸のお参りやお供えで迷われることがあれば、お気軽にお声がけください。











