納骨堂とは
新しいお墓のかたち
近年、時代に伴う価値観の変化からお骨を埋葬する際、納骨堂、合同墓、海洋散骨など
家墓以外の選択肢にも注目が集まっています。
納骨堂は、「親族が皆、都心に住んでおり、定期的な墓参りや管理などが難しくて悩んでいる。」
「お墓を継ぐ人がおらず家墓に入れない」などのお悩みをお持ちの方に
おすすめのお墓のかたちです。
永代供養付き納骨堂
「泰心堂」
泰心堂とは?
大本山大阪本坊の本堂裏にあります「泰心堂」は管理料不要、耐火・免震構造、大阪市許認可取得済の安心安全な納骨堂です。JR東西線・御幣島駅より徒歩二分、大型駐車場も完備しておりますのでいつでもお気軽にお参り頂けます。毎朝七時四十五分より僧侶全員で永代供養のお勤めをしておりますのでその時間に合わせてのお参りも大歓迎です。
納骨壺のサイズと懇志金
当山納骨堂「泰心堂」におきましては、こちらでご用意いたしました規定のお骨壺にご遺骨を移し替えて頂いてからのご納骨となります。納骨壺のサイズと懇志金は以下の通りです。下記以外の管理料等は不要ですのでご安心ください。
- 蓮華納骨(40㎜×57㎜):8万円
- 平安納骨(60㎜×60㎜):15万円
- 鳳凰納骨(87㎜×87㎜):25万円
- 華厳納骨(135㎜×135㎜):50万円
- ※お骨壺に入りきらなかったご遺骨に関しましては当山で無料余骨供養させて頂きますが、ご希望ならお持ち帰り頂くことも可能です。
また別途2万円で海洋散骨することも可能です。ご希望の方はご相談ください。 - ※納骨堂のご安置期間は33年間となっております。
33年後は返骨、または継続利用のご意思がある場合を除いて合祀納骨壇へと移骨されます。(費用不要)
特別礼拝室
ご納骨頂いた方専用のお部屋です。予約無しでいつでもお参り頂けます(※1)。僧侶もしくは寺務員が大切なご遺骨を納骨堂からお運び致しますので、ご家族の方だけでゆっくりとお手合わせ頂けます。
また電子過去帳にお名前を表示し、オプションで想い出のお写真を登録することも可能です(※2)。
- ※1…基本的には8時から17時までのご利用とさせて頂きます。
また彼岸会、盂蘭盆会、永代経法要、納骨者彼岸会等の法要勤修中はご利用頂けません。 - ※2…メモリーフォトの作成・登録(五枚まで)には2万円のご懇志が必要です。
ご納骨までの流れ
-
骨壷を選ぶ
まずご納骨されるお骨壺の種類をお選び頂きます。(納骨堂は常時ご見学頂けますので、事前にご来寺されて実際にご自身の目でお確かめになられる事をお勧め致します)
-
ご納骨日時の
決定ご納骨日がお決まりになりましたらお寺までお電話ください。本堂の空き状況を確認の上、ご納骨の日時を決定させて頂きます。
-
ご納骨のお勤め
当日はご遺骨、火葬証明書、印鑑をお持ち下さい。申込用紙に必要事項をご記入頂いたのち、本堂にてご納骨のお勤めをいたします。
※15分程度
-
骨壷の移し替え
勤めが終わりましたらお骨壺の移し替えをご家族様の手で行って頂きます。
-
お骨を
納骨堂へお納め納骨堂の所定の場所へ僧侶の手で納めさせて頂き終了となります。
永代供養付き合祀納骨壇
「大和納骨」
大和納骨とは?
お預かりしたご遺骨のごく一部を合祀致します。(合祀:他の方々のご遺骨と同じところに納めること。)大部分は無料余骨供養となります。
- 懇志金(永代供養付き合祀納骨壇
「大和納骨」):3万円
ご納骨までの流れ
-
ご納骨日時の
決定ご納骨日がお決まりになりましたらお寺までお電話ください。本堂の空き状況を確認の上、ご納骨の日時を決定させて頂きます。
-
ご納骨のお勤め
当日はご遺骨、火葬証明書、印鑑をお持ち下さい。申込用紙に必要事項をご記入頂いたのち、本堂にてご納骨のお勤めをいたします。
※15分程度
-
お骨を
納骨堂へお納め納骨堂の所定の場所へ僧侶の手で納めさせて頂き終了となります。
永代供養付き海洋散骨
「泰海」
西栄寺の海洋散骨は
永代供養付きです
果てしなく広がる和歌山沖の大海原にご遺骨をお還し致します。またご遺骨の一部は大本山大阪本坊の永代供養付き合祀納骨壇に納めさせて頂きますので、散骨後も継続してお寺にお参り下さり故人様をお偲び頂けます。
また西栄寺の海洋散骨は和歌山県美浜町漁港、並びに「マリン散骨美浜」様の全面協力を頂いておりますので安心してご利用頂けます。
- 散骨場所:和歌山県美浜町沖、船でおよそ20分の辺りに散骨致します。他の海域への散骨は現在承っておりませんのでご了承ください。
- 懇志金(永代供養付き海洋散骨「泰海」):5万円
- 懇志金(海洋散骨「心海」):
3万5千円
(永代供養はついておりません)
- ※懇志金は「委託」の場合の金額です。委託の場合、西栄寺でご遺骨をお預かりして一定期間ご安置させて頂いたのち、僧侶の手で散骨させて頂きます。ご家族様には散骨時の写真、並びに散骨証明書を送付させて頂きます。
- ※散骨にご同行ご希望の場合はチャーター代金として別途15万円必要となります。
またその場合定員は10名様までとさせて頂きます。
海の日・海洋散骨者供養
毎年7月第3月曜(海の日)に「海洋散骨者供養」を和歌山県美浜町支所にてお勤めいたします。海洋散骨された方はどなたでもご参加頂けますので、ご希望の方はお問合せ下さい。
ご納骨までの流れ
-
ご納骨日時の
決定ご納骨日がお決まりになりましたらお寺までお電話ください。本堂の空き状況を確認の上、ご納骨の日時を決定させて頂きます。
-
ご納骨のお勤め
当日はご遺骨、火葬証明書、印鑑をお持ち下さい。申込用紙に必要事項をご記入頂いたのち、本堂にてご納骨のお勤めをいたします。
※15分程度
-
お骨を
粉末状に加工本堂預骨壇にご安置後、法令に則り粉末状に加工いたします。
-
散骨
後日和歌山県美浜町の港で最後のお勤めをしたのち、僧侶の手で散骨させて頂きます。
-
証明書の郵送
後日、散骨証明書並びに当日撮影した写真をご自宅に送付させて頂きます。
※チャーターされる場合はご希望の日にちに現地集合となります。僧侶同行のうえ、ご家族の手で散骨して頂きます。
供養について
「供養」という言葉は世間一般的には追善供養の意味に捉えられています。追善供養とは亡くなった人が良い所に行けますようにとの願いを込めて生きている私たちが「供養」することを言いますが、それはお念仏を頂く私たちには全く必要のないものです。
幸運にも得難い仏縁を頂いた私たちは、この身このままで浄土に救われて仏とならせて頂きます。「良いところにいけますように」と祈る必要がないのです。ですから追善供養の意味合いでお勤めすることは一切ありません。
そもそも凡夫たる私たちが供養したところで果たして亡くなった方に届くものでしょうか?自分のことさえ救えない私たちが他の人、しかも既に亡くなっている人を救えるものでしょうか? それは私には生者>死者という思い上がりがあってこそ成り立つ思想ではないかと思えます。
では浄土真宗では一切供養しないのでしょうか? もちろんそんな事はありません。浄土真宗では追善供養ではなく「讃嘆供養」として毎日欠かさずご供養させて頂いております。
気の遠くなるような長い長い修行の末に仏となられた阿弥陀如来がその功徳を私たちに振り分けて下さいます。そのおかげで本来地獄に落ちるしかない煩悩まみれの私たちが浄土に往生させて頂けるのです。私たちに出来ることは如来の徳を讃え、心より感謝し、せめてもの気持ちでお供えすることだけでしょう。それが「讃嘆供養」です。
では「讃嘆」とは具体的に何を指しているのでしょうか。実はお念仏こそが讃嘆なのです。親鸞聖人も「尊号真像銘文」のなかで「南無阿弥陀仏をとなえる事は仏を褒めたたえることである」と仰っておられます。お念仏を沢山言うことで亡くなった人が良いところに行けると勘違いされておられる方も多いと思いますが、私たちがお念仏申し上げる時、それは既にお救いを頂いた時なのです。私たちにお念仏が届いているということは既に阿弥陀如来の光明の中に摂取されているということなのです。ありがたい事だなぁ、その思いが私たちの口をついて出るのが南無阿弥陀仏です。
また「供養」とはお花やお香、灯明、飲食などを真心から捧げることをいいます。サンスクリット語pūjanāの訳語であり、元々の意味は「尊敬」です。どこにも死者の弔いという意味はありませんね。浄土真宗の讃嘆供養はまさにこの本来の意味で行われているのです。阿弥陀如来、そして同等の悟りに至った故人を心から尊敬し讃嘆(念仏)し供養することこそ、私たちに出来る唯一の「ご供養」なのです。
永代とは後々の世代まで絶えることなく永代に渡って受け継がれていきますようにとの願いが込められた言葉です。これからも亡き方をご縁として沢山の方に南無阿弥陀仏のお名号が受け継がれていきますよう願ってやみません。
海洋散骨について
(西栄寺だより2019年夏号より抜粋)
このたび西栄寺でも「海洋散骨」に取り組むことになりました。その準備の為、これまで度々和歌山の海に足を運びましたが、海を眼前にした時の解放感と清々しさとある種の郷愁は訪れるたびに新鮮で飽きが来ません。
進化論によりますと我々人間に限らずあらゆる陸上生物は元来海の生物としてその命を得て、進化の過程でやがて上陸し、その都度環境に適応しながら今の私たちの姿にその形を変えてきたそうです。
今では大半の人間にとって海は遊びに行くところであり、漁によって恵みを得るところであり、船で物を運ぶ経路でありますが、もっと大きな生物観でみれば海は我々の大いなる故郷であるとともに、命が還って行くべき場所と言えるのかも知れません。海を前にした時の懐かしさは、もしかしたらそんなところに起因しているのではないでしょうか。
西栄寺の海洋散骨「泰海」「心海」は、和歌山県美浜町の地元の漁師の方々が営む「マリン散骨美浜」様と提携して行います。五月の半ば頃、住職並び他二名で実際に散骨をする海域まで船に乗せて頂きましたが(余談ですがこの日は波が高く、住職は船酔いに苦しんでおりました)、和歌山の綺麗な海と景色が今でも目に焼き付いております。
こんなに美しい海に散骨させて頂ける機会は、実はそう多くはありません。なぜなら海洋散骨は殆どの場合、港や漁業関係者から敬遠されてしまうからです。はっきりと散骨禁止を掲げた港や自治体もあります。まるで悪いことをしているかのようにコソコソと出航していく例も少なくないのです。
そんな中、有り難いことに美浜町の方々は港湾関係者一体となって海洋散骨を推進しておられますので、こちらも安心して船をお借りする事が出来ます。周囲に白い目で見られながらの出航、というのがありませんからご参加頂く当家様にも安心です。お話によると役所の方々も好意的に見守ってくれているとのことで、まさに盤石の態勢と言えるのではないでしょうか。
しかし海洋散骨そのものに未だ抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。「先祖代々お墓や納骨堂に納めてきた伝統を崩したくない」というお気持ちはごもっともですし、「散骨はお骨を海に捨てているようで気持ち悪い」という方もいらっしゃいます。
その一方で、大好きだった海に還してあげたいというご遺族の想いがあり、後々家族に迷惑かけたくないとの一心で生前から海洋散骨を希望される方もいらっしゃいます。ここ数年海洋散骨の施工件数は飛躍的に伸び続けていますし今後更に増加していくことは確実です。お墓や納骨堂といった従来の在り方に付け加える形で散骨という新しい選択肢が定着しつつあるのが現状です。
そもそも親鸞聖人はご自身の亡骸について「鴨川に流して魚の餌にしなさい」と仰っておられます。魚肉を食べて生きてきたせめてもの恩返しという意味もあったろうと思われますし、物質的なものや形式に囚われず信心一つを旨とした聖人ならではのエピソードです。このお言葉に従うならば本来は埋葬方法に何の制限もないこと、限りなく自由であることがお分かり頂けるのではないでしょうか。
海は広いな 大きいな 月がのぼるし 日が沈む
海は大波 青い波 ゆれてどこまで続くやら
海にお舟を浮かばして 行ってみたいな よその国 (童謡「海」より)
広大でゆったりとしていて、どこまでも青く、深く、仏の智慧や母の愛にも例えられる海です。そんな海と溶け合い一体となり、静けさとともに還り行く海洋散骨。お骨のことでお悩みの方がいらっしゃいましたら、一度選択肢に加えてみられてはいかがでしょうか。興味がある方はお気軽に西栄寺までお問い合わせください。
どこまでも続く大海原が私のお墓、というのもきっと素敵だと思いますよ。