大阪府の墓じまい補助金はある?対象市町村の制度と申請方法を解説

お墓の維持管理が難しくなり、墓じまいを検討する方が増えています。その際、「費用を少しでも抑えたい」と考えるのは自然なことです。では、墓じまいに関して大阪府で利用できる補助金制度はあるのでしょうか。
結論から申し上げますと、大阪府全体で統一された墓じまいの補助金制度はありません。しかし、一部の市町村では、公営墓地を返還する際に、これまでに納めた永代使用料の一部が戻ってくる「還付制度」を設けています。
この記事では、大阪府内で墓じまいの際に利用できる可能性がある制度、対象となる自治体、申請方法、そして墓じまいにかかる費用を抑える方法について、お寺の視点から分かりやすく解説します。
大阪府の墓じまい補助金制度の全体像
大阪府の墓じまい補助金は、府全体での制度の有無、「補助金」 と「使用料還付制度」 の違い、そして自治体がこうした制度を設ける背景の3点から整理します。
大阪府全体での補助金制度の有無
まず知っておきたいのは、大阪府として一律に提供している墓じまいの補助金制度は存在しないという点です。墓地に関する行政サービスは、府ではなく各市町村が管轄しているため、支援制度の有無や内容は自治体によって異なります。
したがって、お墓がある市町村の役所に直接問い合わせ、制度の有無を確認することが第一歩となります。
「補助金」 と「使用料還付制度」 の違い

墓じまいに関連する制度を調べる際、「補助金」と「使用料還付制度」という言葉が出てきます。この二つは似ているようで意味が異なります。
- 補助金・助成金: 自治体が特定の目的(この場合は無縁仏の防止など)を推進するために、墓石の撤去費用などを直接的に支援するお金のことです。
- 使用料還付制度: 公営墓地の使用者が墓じまいをして土地を自治体に返還する際に、最初に支払った「永代使用料」の一部が返還される制度のことです。
大阪府内の自治体で見られるのは、主に後者の「使用料還付制度」です。これは墓石の撤去費用を直接補助するものではありませんが、結果的に墓じまいにかかる全体的な費用負担を軽減できます。
補助金制度の背景(無縁仏対策・墓地返還促進)
なぜ自治体はこのような制度を設けるのでしょうか。その背景には、少子高齢化や核家族化による「無縁仏」の問題があります。
お墓を継ぐ人がいなくなり、管理されずに放置されるお墓が増えると、霊園全体の景観が悪化し、衛生上の問題も生じかねません。そこで自治体は、管理できなくなった墓地を更地にして返還してもらうことを促進するため、インセンティブとして使用料の還付制度などを設けているのです。これにより、限られた墓地を有効活用し、新たな利用者に提供できるようになります。
大阪府で墓じまい補助金(返還制度)が利用できる市町村一覧
大阪府内の一部の市町村では、公営墓地を対象とした墓地使用料の還付制度が確認されています。ここでは代表的な例をご紹介します。
※制度は変更される可能性があるため、必ず各自治体の担当窓口にご確認ください。
岸和田市「岸和田市墓苑」 墓所返還制度
岸和田市では、市営の「岸和田市墓苑」の墓所を更地にして返還する場合、納付済みの永代使用料の一部が還付される制度があります。還付額は、墓所の場所や経過年数によって異なります。また、返還したお骨を市の合葬式墓地へ改葬する際の費用を一部助成する制度も併せて設けられています。
制度は岸和田市墓苑条例および同条例施行規則に基づいて運用されており、返還時には「墓所返還届」と「返還金請求書」に加え、使用許可書・印鑑登録証明書・振込先口座がわかる預金通帳の写しなどの提出が必要です。手続きの詳細や還付額の具体的な条件は、岸和田市 公園緑地課墓苑担当(電話:072-423-9581/9630、住所:〒596-8510 大阪府岸和田市岸城町7番1号、受付時間:平日9:00〜17:30)にお問い合わせください。
泉大津市「泉大津市営墓地・組合墓地」 墓地返還制度
泉大津市でも、市営墓地を使用者が返還する際に、既納の使用料の一部を還付する制度があります。「泉大津市公園墓地条例」第19条および別表3では、還付率が使用許可を受けてからの年数に応じて次のように定められています。
- 使用者が使用場所を返還した場合:15年未満は既納使用料の50%、15年以上30年未満は30%
- 使用許可を取り消された場合:30年未満は20%
条例は昭和62年に制定され、直近では平成22年の改正(平成23年4月1日施行)に基づき運用されています。実際の還付の可否や必要書類については、市の担当課へ事前にご確認ください。
泉佐野市「泉佐野市公園墓地」 墓地返還・合葬式墓地移行制度
泉佐野市の「泉佐野市公園墓地」では、墓所を返還する際に永代使用料の一部が還付されます。さらに、返還と同時に市が管理する合葬式墓地へお骨を移す場合は、合葬式墓地の使用料が減免される制度もあります。これにより、墓じまいと次の供養先への移行をスムーズに行えるよう支援しています。
区画墓地の返還時には「使用権返還届」と「使用料還付申請書」の提出が必要です。手続きの詳細や還付割合、合葬式墓地への移行条件については、泉佐野市 環境衛生課衛生係(電話:072-429-9286、住所:〒598-8550 大阪府泉佐野市市場東1丁目1番1号)にお問い合わせください。
寝屋川市の還付金制度
寝屋川市にも、市営霊園を返還する際の還付金制度が存在するようです。ただし、詳細な条件や還付率については市の公式サイトで明記されていないため、直接、市の担当窓口への問い合わせが必要です。
大阪市・堺市など主要都市の墓じまい支援状況
一方で、大阪府内の主要な都市では、現時点で墓じまいに関する直接的な補助金や還付制度は設けられていないのが現状です。
大阪市の補助金制度の有無
大阪市では、市立霊園(南霊園、服部霊園など)の墓地を返還する際の、永代使用料の還付制度や墓石撤去費用の補助金制度は、現在のところありません。
堺市の支援状況
堺市においても、市営霊園(堺市営墓地など)の墓じまいに対する補助金や使用料の還付制度は設けられていません。
豊中市・東大阪市の対応状況
豊中市、東大阪市でも、公営墓地の墓じまいに関する直接的な金銭支援制度は確認されていません。
吹田市・守口市の対応状況
吹田市、守口市も同様に、墓じまいを支援する補助金や還付制度は現在のところ実施していません。
このように、多くの主要都市では制度がないため、墓じまいの費用は基本的に自己負担となります。
墓じまい補助金(返還制度)の申請手続きと必要書類
もしお墓がある自治体に還付制度があった場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。一般的な流れと注意点を解説します。
申請の流れ(自治体への事前相談・申請・交付)
- 自治体への事前相談: まず、墓地を管轄する役所の担当課(例:環境衛生課、公園緑地課など)に連絡し、制度の対象となるか、必要な手続きは何かを相談します。
- 申請書類の提出: 指定された申請書に必要事項を記入し、添付書類とともに提出します。
- 審査・交付決定: 自治体で書類の審査が行われ、還付が決定すると通知が届きます。
- 墓石の撤去・返還: 決定通知を受けた後、石材店に依頼して墓石を撤去し、墓地を更地にして自治体に返還します。
- 還付金の交付: 墓地の返還が確認された後、指定した口座に還付金が振り込まれます。
必要書類(申請書・墓地使用許可証・改葬許可証・本人確認)
申請には、一般的に以下のような書類が必要となります。
- 墓地使用料還付申請書(自治体の様式)
- 墓地使用許可証(お墓を契約した際の書類)
- 改葬許可証の写し(お骨を別の場所に移すために必要な行政書類)
- 申請者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 振込先口座の情報がわかるもの
自治体によって必要書類は異なりますので、必ず事前に確認しましょう。
申請のタイミング(工事前申請が原則)
最も重要な注意点の一つが、申請のタイミングです。 多くの自治体では、墓石の撤去工事を始める前に申請を行うことが条件となっています。工事を終えてから申請しても、制度の対象外となる可能性が非常に高いため、必ず事前に手続きを済ませてください。
予算枠・締め切りに関する注意点
自治体の制度は、年度ごとに予算が決められている場合があります。そのため、年度の終わり近くになると予算枠が上限に達してしまい、受付が終了することもあり得ます。さらに、申請の締め切り日が設けられていることもありますので、墓じまいを決めたら早めに動き出してください。
大阪府の墓じまいにかかる費用相場と内訳
補助金(還付制度)が利用できたとしても、墓じまいにはさまざまな費用がかかります。ここでは、主な費用の内訳と一般的な相場をご紹介します。
墓石の撤去・解体工事費用
墓石を解体し、基礎部分を撤去して更地に戻すための費用です。墓地の面積や立地(重機が入れるかなど)によって変動しますが、1平方メートルあたり10万円~15万円程度が目安です。
閉眼供養のお布施
墓じまいの際には、墓石に宿るとされるご先祖様の魂を抜くための「閉眼供養(へいがんくよう)」または「撥遣作法(はっけんさほう)」という儀式を執り行います。その際にお寺にお渡しするお布施で、3万円~5万円程度が一般的です。
離檀料
菩提寺の檀家をやめる際に、これまでのお礼としてお渡しするお布施です。法的な支払い義務はありませんが、長年お世話になった感謝の気持ちとしてお渡しするのが慣例です。金額に決まりはありませんが、法要1回分のお布施(3万円~20万円程度)が目安とされます。
行政手続きにかかる費用
お骨を別の場所に移すために必要な「改葬許可証」を取得する際、数百円から千数百円程度の手数料がかかります。
改葬先(永代供養・納骨堂・散骨等)の費用
墓じまいしたお骨を新たに供養するための費用です。供養方法によって大きく異なります。
- 永代供養墓(合祀): 5万円~30万円程度
- 納骨堂: 20万円~150万円程度
- 樹木葬: 20万円~80万円程度
- 海洋散骨: 5万円~50万円程度
大阪府の墓じまいの流れ(手続きと宗教儀式)
墓じまいは、単にお墓を撤去するだけではありません。ご家族やご親族、お寺との調整、そして行政手続きなど、多くのステップを踏みます。
①家族・親族への相談
まず最初に、家族や親族と話し合い、墓じまいをすることへの理解と合意を得てください。なぜなら、お墓は個人のものではなく、ご先祖様から続く家のものであるという考え方が根強くあるためです。事前に相談なく進めると、後々のトラブルにつながりかねません。
②次の供養先を決める
お墓から取り出したお骨を、次にどこでどのように供養するのかを決めます。永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨など、さまざまな選択肢があります。それぞれの特徴や費用を比較検討し、ご家族の意向に合った場所を選びましょう。
③お寺・霊園・自治体への相談
現在お墓があるお寺や霊園の管理者に、墓じまいをしたい旨を伝えます。公営墓地の場合は、市町村の担当窓口に相談します。この段階で、必要な手続きや書類、費用について確認しておくとスムーズです。
④石材店の選定・見積もり
墓石の撤去・解体工事を依頼する石材店を選びます。複数の業者から見積もりを取り、費用や工事内容を比較検討することをおすすめします。
⑤行政書類の手続き(改葬許可証)
お骨を移動させるためには、「改葬許可証」が必要です。これは「現在のお墓がある市町村」の役所で発行してもらいます。申請には、現在の墓地管理者からの「埋蔵証明」と、新しい供養先の管理者からの「受入証明」が必要になります。
⑥閉眼供養の実施
墓石の撤去工事の前に、お寺の住職にお願いして「閉眼供養」を執り行います。親族にも参列してもらい、ご先祖様への最後の感謝を伝えます。
⑦墓石撤去・更地化
石材店が墓石の解体・撤去工事を行い、墓地を更地の状態に戻します。工事が完了したら、管理者に確認してもらい、墓地の使用権を返還します。
⑧新しい供養先での開眼・納骨
新しい供養先にお骨を納めます。新しいお墓を建てた場合などは、魂を入れるための「開眼供養(かいげんくよう)」を執り行い、納骨します。
補助金対象外でも費用を抑える方法

お住まいの自治体に補助金や還付制度がなかった場合でも、工夫次第で墓じまいの費用を抑えることは可能です。
複数の石材店から相見積もりをとる
墓石の撤去費用は、石材店によって大きく異なる場合があります。必ず2~3社から見積もり(相見積もり)を取り、料金だけでなく、工事内容や対応の丁寧さなどを比較して、納得できる業者を選びましょう。
家族・親族間で費用を分担する
墓じまいは、一人で決めて一人で費用を負担しなければならないものではありません。兄弟姉妹や親族と事前にしっかり話し合い、費用を分担することで、一人あたりの負担を軽減できます。
費用が安い改葬先を選ぶ(永代供養・散骨)
墓じまい後の供養方法として、比較的費用を抑えられる選択肢を選ぶのも一つの方法です。例えば、他の方のお骨と一緒に埋葬される「合祀型」の永代供養墓や、自然に還る「散骨」などは、新しいお墓を建てるよりも費用を大幅に抑えることができます。
離檀料を抑える話し合いの進め方
菩提寺との関係で離檀料が心配な方もいらっしゃるかもしれません。大切なのは、一方的に「やめます」と伝えるのではなく、これまでお世話になった感謝の気持ちと、お墓を維持できなくなった事情を丁寧に説明し、誠意をもって相談することです。そうすることで、円満な話し合いにつながりやすくなります。
西栄寺の永代供養付き納骨堂への改葬という選択肢
墓じまい後の新しい供養先をお探しの方へ、私たち西栄寺の納骨堂も選択肢の一つとしてご検討いただければ幸いです。
西栄寺の納骨堂「泰心堂」 と合祀型「大和納骨」
西栄寺は、大阪市西淀川区にある浄土真宗の単立寺院です。墓じまい後の改葬先として、永代供養付きの納骨堂をご用意しております。
- 納骨堂「泰心堂」: 個別のスペースで33年間ご遺骨を安置し、その後は合祀墓にて永代にわたり供養いたします。費用は8万円から50万円まで、様々なタイプがございます。
- 合祀型「大和納骨」: 他の方のご遺骨と一緒に、合祀墓にて永代にわたり供養いたします。費用は3万円からとなっており、費用を抑えたい方にも選ばれています。
浄土真宗の作法による閉眼供養の対応
墓じまいの際に必要となる閉眼供養(浄土真宗では「撥遣作法」と呼びます)も、浄土真宗の作法に則って丁重に執り行います。どのような宗派の方でもご相談を承っておりますので、ご安心ください。
改葬手続きと墓じまい後のご相談サポート
複雑に感じられる改葬の手続きについても、私たちがサポートさせていただきます。墓じまいに関するお悩みや、その後のご供養について、どうぞお気軽にご相談ください。
大阪府の墓じまい補助金に関するよくある質問
読者からよく寄せられる質問を、府全体の制度・申請から交付までの期間・補助金と還付制度の違い・工事後申請の可否・自治体への問い合わせ方法の順に取り上げます。
大阪府全体で使える補助金はある?
いいえ、大阪府全体で統一された墓じまいの補助金制度はありません。支援制度の有無や内容は、お墓がある各市町村によって異なります。
申請から交付までどのくらいかかる?
自治体の手続きや審査の状況によりますが、申請から還付金が実際に振り込まれるまでには、数ヶ月程度かかるのが一般的です。具体的な期間については、申請先の自治体にご確認ください。
補助金と還付制度はどう違う?
「補助金」は墓石撤去費用などを直接支援するお金ですが、「還付制度」は公営墓地を返還する際に、最初に支払った永代使用料の一部が戻ってくる制度です。大阪府内の自治体で見られるのは、主に後者の還付制度です。
工事を済ませてから申請できる?
原則としてできません。多くの自治体では、墓石の撤去工事を始める前に申請することが条件となっています。必ず工事の契約や着工の前に、自治体への相談と申請を済ませてください。
自治体に問い合わせる際のポイントは?
まず、お墓がある自治体のウェブサイトで「墓地」「霊園」などのキーワードで検索し、担当課(環境衛生課、公園緑地課など)を調べます。電話で問い合わせる際は、「〇〇霊園の墓じまいを検討しており、墓地返還に関する支援制度や使用料の還付制度があるか知りたい」と具体的に伝えましょう。また、合葬墓などに移す場合は、後からお骨を取り出せるかどうかも確認してください。例えば、岸和田市の公式サイトでは合葬式墓地について「合葬室へ埋蔵した後は、焼骨の返還はいたしません」と明記されています。
まとめ:大阪府の墓じまい補助金は自治体への確認から
大阪府における墓じまいの補助金について解説しました。
- 大阪府全体で統一された補助金制度はない。
- 一部の市町村(岸和田市、泉大津市、泉佐野市など)では、公営墓地を返還する際に使用料が一部戻る「還付制度」がある。
- 大阪市や堺市などの主要都市では、現時点で直接的な支援制度はない。
- 制度を利用するには、工事前の申請が必須。
- 補助金がない場合でも、相見積もりや供養先の選択で費用を抑えることは可能。
墓じまいは、ご家族にとって大きな決断です。費用面の不安もあるかと存じますが、まずはお墓がある自治体の役所に問い合わせてみることが、確実な第一歩となります。
墓じまい後のご供養についてお悩みでしたら、大阪市にある西栄寺へどうぞお気軽にご相談ください。永代供養や納骨堂、永代供養塔、海洋散骨など、ご事情に合わせた様々な選択肢をご提案させていただきます。神戸市・堺市・尼崎市など近隣エリアの方からのご相談も承っております。
→ 西栄寺の住職に大阪での墓じまい・改葬について相談する(24時間受付)











